有毒植物「半夏」

医者に行って、キザミ生薬(煎じ薬)をもらった。私の薬はとても複雑な処方であり「柴胡桂枝湯加牡蠣延胡索香附子釣藤鈎麦芽(さいこけいしとう・か・ぼれい・えんごさく・こうぶし・ちょうとうこう・ばくが)」という名前が付いている。構成生薬はなんと14種類!いくらなんでも多すぎると思った。なんとなくおもしろそうなので生薬を研究室で広げてみた。
牡蛎、桂皮、黄ゴン、人参、甘草、麦芽、そして半夏を見分けることができた。最後に挙げた「半夏」とは、漢方薬に頻用される生薬である。日本の半夏はサトイモ科カラスビシャクの塊茎を乾燥させたものだ。これを煎じて飲むことによって、唾液分泌亢進、制吐などの作用を得ることができる。しかし、煎じる前の「半夏」は有毒であり、粘膜に対して刺激感を与える。私はこの有毒作用について知らなかった。
だから、頭の悪い私は、どんな味だろうと半夏をそのまま食べてみた。いっしょにいた技官さんも少ししゃぶっていた。「性味:辛、温」と書かれているわりには、ほとんど無味に近いような味だった。若干のえぐみが感じられた。たいしたことないなと思って、私は半夏のかけらを飲み込んだ。すると隣にいた技官さんが「痛っ・・・」と声をあげた。痛みはすぐに私のところにもやってきた。のどが焼け付くように痛い。あわてて水を飲むがまったく効果がない。