北朝鮮輸出の医薬品の特徴

在日朝鮮人の女性が、万景峰号に「強力モリアミンS」60パックと「強力ネオミノファーゲンシー」120アンプルを持ち込もうとしたらしい。これは組織的な医薬品輸出の一部のようだ。昨年11月には、東京の医薬品販売会社が昨年11月、北朝鮮系貿易会社に「強力モリアミンS」8100パックと「強力ネオミノファーゲンシー」1万6000アンプルを不正販売していたとのこと(薬事法違反)。
この二つの医薬品の特徴について考えてみたい。まず、強力モリアミンSは、必須アミノ酸の輸液(200mL)である。いろいろな使い方があるが、とりわけ口から食事ができない患者さんの栄養源として使う。このアミノ酸有機化学合成で作っているのではなく、アミノ酸を生産する微生物から取り出たものである(発酵法)。メーカーは、日本が誇る発酵技術のリーディングカンパニー、味の素(株)である。
もう一つの、強力ネオミノファーゲンシーは、1948年に発売開始された、とても古い薬である。これも有機化学合成で作っているのではなく、甘草という植物性生薬から、グリチルリチン酸を抽出して、液体にしたものである*1。発売から60年近く経つ今でも、慢性肝炎の患者に頻繁に使われている。
なぜこの二つの医薬品ばかりが輸出されるのだろう*2。どちらも有機化学合成で作ることができず*3、錠剤などと異なり大量に使うタイプの医薬品である。錠剤であれば1000錠くらい簡単にカバンに入るけれど、強力モリアミンSは200mLもあるので隠すのが大変だろう。強力ネオミノファーゲンシーは大量に使うし、アンプルにしては大きいので、やはり運びづらそうだ。運ぶのが下手でバレちゃったのだろうか。それとも技術がない?設備がない?原料がない?いったいどういうことなのだろう。

*1:実際に抽出法で行っているのかどうか製薬会社に確認を取っていないので、もしかしたら合成法で作っているかもしれない

*2:軍事転用ができるいう記事もあったが工学的なことはよくわからない。両医薬品を軍事転用する方法は想像もつかない

*3:技術的にできないわけではない