中川昭一さんとアルコール依存症

中川昭一さんが死んだ。思想は嫌いだったけれど、野党自民党の論客として亡くすには惜しい人だった。ご冥福をお祈りしたい。
みなさんもご存知のように、中川昭一さんは酒のトラブルが多かった。同じ自民党中川秀直さんと区別するために、ネット上で「中川(酒)」と表記されることもあったようだ。とりわけ、G7時の「もうろう会見」は有名で、直後に大臣職を辞任している。そして、先日の総選挙で落選し、失職した。
民主党親中派による暗殺という陰謀論が飛び交っているが、あまりに馬鹿げている。今後マスコミが死因を追求しないとしたら、理由はただ一つ、キリンやアサヒといったビール会社が番組のスポンサーになっているからだろう。中川さんの直接の死因はまだ判明していないが、おそらくアルコールによって身体を蝕まれていたのだと思う。
私は確信を持って言うが、中川さんはアルコール依存症だったと考えている。中川さんは、断酒を何度も宣言するも断酒に失敗し、首相官邸や宮中といった大きな場でトラブルを起こし、最後は衆議院議員を失職している。優秀な政治家として数々の難敵を倒したものの、ただ酒にだけは勝てなかったのだと思う。
アルコール依存症の患者には、仕事で問題を起こしてクビになるというケースが多い。中川さんもその典型例の一つだった。こういった場合、退職後、さらに飲酒量が増える人が多いのだが、最近の中川さんも大量飲酒していたのではないだろうか。睡眠薬や風邪薬も服用していたというから、アルコールの毒性は非常に強いものだったろう。アルコール依存症の治療を受けていたら、こんなに早く死なずに済んだのにと思う。
日本人は、酒害について甘い。「酒は百薬の長」という誤謬が社会を支配している。タバコの害についての認識は広まってきたが、タバコより毒性の高いドラッグであるアルコールの害がうたわれることは少ない。酒害というのは甚大なもので、人々の人生を大きく狂わせてしまう。だから私は、禁酒法が制定されることを切に望んでいる。
日本を憂う人は、陰謀論を唱える前に、アルコール依存症について考えてみたらどうだろうか。アルコールが日本に及ぼす害の大きさをもっと知ったほうがいい。マスコミは酒害を報道しない。ビール会社がスポンサーになっているからだ。アルコール依存症患者の寿命は、50代半ばと言われている。中川さんは56歳で亡くなったので、アルコール依存症患者としては、ごく普通の年齢で亡くなったことになる。
最後に、アルコール依存症をカミングアウトしている人物について述べたい。おそらく日本で最も有名なアルコール依存症患者は、寛仁親王殿下であろう。寛仁親王殿下は皇族という立場ながら、メディアへの露出や発言が多く、「ヒゲの殿下」という愛称で親しまれている。殿下は、アルコール依存症宮内庁病院に度々入院している。治療は、アルコール依存症で有名な久里浜病院のスタッフが行ったようだ。皇族がアルコール依存症をカミングアウトすることは大変だったと思う。日本の医療福祉行政は、もっとアルコール依存症に力を入れて欲しい。