アーバンギャルド「ファッションパンク」(向精神薬ソング)

アーバンギャルドに「ファッションパンク」という曲がある。アルバム「少女は二度死ぬ」(2009)所収。作詞作曲が松永天馬、編曲が谷地村啓。アーバンギャルドは日本の音楽バンドで、「トラウマテクノポップ」を自称する。ファン層は若い女性が大半を占める。

少女は二度死ぬ

少女は二度死ぬ

歌詞中で「デパスパキシルコントミン、・・・」と向精神薬(広義)の商品名をテンポよく羅列している。「空をなくす」「春四音」「月アカリサイレース」とか単剤投与の曲は今までにもあったけれど、この曲以外に複数剤が登場する曲の例を知らない。もしかしたら洋楽にはあるのだろうか。

向精神薬サブカルチャーで愛用されるアイテムだけれど、ここまで徹底した作品は珍しい。

登場するのは14剤。デパスパキシルコントミンリーゼリタリンレボトミンアナフラニールアミプリンソラナックスサイレースデプロメールエフェドリンドグマチールハルシオン。製薬会社から訴えらることを覚悟しているのだろうか、「赤いキャンディ 青いキャンディ まぜてごっくんするだけで」と歌っている。やはりブランド名は、ファッションアイテムとして優れている。

なお、タイトルの「ファッションパンク」とは、(通常侮蔑な意味で)見た目だけのパンクを指す音楽用語である。「パンクっぽいことやってるけど、俺たちは結局ニセモノだよね」という自虐的な意味を込めているのだろう。「ファッションパンク」という壮大なタイトルに呼応するように、イントロで素敵な「出オチ」を見せてくれる。アダルトゲーム「ふぃぎゅ@メイト」(2006)OP曲イントロのアレンジである。この元曲は「電波ソング」としてネットで話題になったので、作曲者の松永もそれを意識して使ったのだろう。完全なニセモノである。