「バッドチェック」という「性病の診断」を謳う未承認医薬品について

性病検査アイテム バッドチェック(BAD CHECK) 3個セット

性病検査アイテム バッドチェック(BAD CHECK) 3個セット

 最近、「バッドチェック(bad check)」というティッシュペーパーが流通している。「性病」を早期発見するためにチェックするための商品だそうだ。ティッシュには(おそらく)ph指示薬が含まれており、これに尿を付着させることにより、ピンク色に変化すればアルカリ性、黄色に変化すれば酸性、オレンジ色のままであれば中性を表す。尿がアルカリ性、つまりピンク色に変化すれば、性病の可能性があるという。

「バッドチェック」公式ホームページ
http://www.badcheck.jp/index.html

 あまりに馬鹿げた話だ。尿のpHなど食事により容易に左右されるものであり、性感染症の目安になるとは考えづらい。性感染症には、細菌性のものもあれば、ウイルス性のものもあり、尿のpHに影響を与えないものも多い。擬陽性および擬陰性が多発すると考えられる。当然ながら、体外診断用医薬品や医療機器として認められた商品ではなく、「ジョークグッズ」として販売されている。次は公式ホームページの記述である。

アルカリ性(オレンジ色から濃いピンク色に変化!)
「濃いピンク色に変化した場合は、アルカリ性と判定してください。薄いピンクの時は、時間もしくは日をおいて何度かチェックしてみてください。性病などの病気の可能性があればピンク色が継続してあらわれます。」
中性(オレンジ色から変化しない!)
「今回のチェックから時間・日をおいて何度かチェックしてみて反応が変わらなければ、病気の可能性は低いと思われます。」

 濃いピンク色へ変化または薄いピンク色に継続して変化があれば、性病の可能性がある。継続して色の変化がなければ病気の可能性は低い。そう書かれている。「確定診断は医師によってなされる」と書かれているものの、擬陰性や擬陽性についての記述はなく、あたかもティッシュが目安になるかのような印象を与えている。

 このティッシュは性病の目安にはならない。これは品質の保証されていないpH指示薬であり、文字通りのジョークグッズである。細菌やウイルスに感染している人が、このティッシュを用いて「私は病気ではない」と考えてしまうことが恐ろしい。本人の健康はもとより、性交渉の相手感染させてしまうおそれがある。こんな商品が堂々と販売されているのかと思うと陰鬱である。

 一部の性風俗店ではこの商品が導入されていると聞くし、一部の通販サイトでは「業務用」と書かれた大量のセットが売られていた。性風俗店でこの商品が用いられれば、労働者の健康の著しい悪化や、客による性感染症の拡大が懸念される。

バッドチェックは検査器具ではなく、体のpHをチェックするジョークグッズです。あくまでもクラミジアや淋病などの性病の早期判定の補助として用いるもので、確定診断は他の所見とともに医師により総合的になされるものです。チェック結果からだけでは病気と確定はできませんので、なるべく早く医師に相談して下さい。また、例え色に変化がなかった場合でも身体に異変があれば必ず医師に相談して下さい。

 ジョークグッズにしては悪質である。なるべく早く医師に相談する、身体に異変があれば必ず医師に相談する、これでは不足している。せめて「性感染症のリスクが高い人は定期的に医師に相談してください」と書き添えるべきだろう。

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 病院に行かない層をターゲットにした、悪質な商品である。これはアマゾンなどの通販サイトで容易に購入できる。また、ドンキホーテなどの小売店で売っていたという話も聞いた。公式ホームページによれば、成人向け雑誌のほか、ファッション誌『egg』、パソコン誌『iP!』など一般の雑誌にも広告を掲載しているようだ。下は手元にあった『小悪魔ageha 6月号』の広告である。

 性感染症の拡大を危惧する。

<追記>
この商品を知ったのは、セックスワーカーの椎名こゆりさん(@koyulic7)のTwitterでのtweetがきっかけです。椎名さんもこの商品を問題視しており、より現場に近い立場からブログ記事を書いています。ぜひお読みください。
http://sentimentally.org/blog/archives/844